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フォントのライセンスはわかりづらい? モリサワnote編集部が法務担当を突撃してみた

突然ですがみなさんは、フォントを使う際に「ライセンス」の存在を意識することはありますか?
書体のあれこれをお話することはあっても、そのライセンスについて取り上げる機会は少ないかも、と気がついたモリサワnote編集部。実際、SNS上には「これって法的にどうなの?」という疑問や、「よくわからない……」「ややこしい!」といったつぶやきが多数みられます。

そこで今回は「社内でライセンス事情について一番詳しい人に聞いてみよう!」ということで、モリサワの法務担当を突撃!
基本的な事項から実際に起こりうる具体的なケースまで、あらゆる質問をぶつけてフォントライセンスにまつわる疑問を解消していきます。 

※2023年6月時点の情報をもとに記事を作成しています。最新の情報は必ずご自身で提供元のライセンスのご確認をお願いいたします。


1. フォントのライセンスとは?

社内弁護士に会いにいったら、営業担当もやってきた

ーみなさんごきげんよう、モリサワnote編集部の担当Mです。とにかくややこしい!と思われがちなライセンスをわかりやすくお伝えするべく、モリサワ社内で一番フォントライセンスに通じている人物を血まなこで探してきました~。

中野さん

中野 文彦なかの ふみひこ
経営統括部法務課課長、知財管理室室長。情報セキュリティ統括室で企業内弁護士を務め、モリサワのサブスクリプションサービス『Morisawa Fonts』の利用規約作成も手掛ける。

 ー中野さん、本日はよろしくお願いします。ん?あなたは……?

  中野さんがライセンスマスターとすると、僕は自称ライセンスマスター!営業のあつしです。おもしろそうなのでついてきました。

篤さん

篤 直人あつし なおと
セールスイノベーション部 セールスイノベーション課所属。入社以降7年間営業を担当。営業活動のため、自社製品のライセンスやよくあるお悩みについても詳しい。

ー(自称って……。)まぁこの際、お2人にいろいろ聞いていきましょう。


フォントの “使い方” の違いで、ライセンスも変わる?!

ーさっそくですが、フォントのライセンスってわかりづらいのかなと思います。例えば、SNSではこんな声があがっていました。

「フォントのサイトが凝りすぎていてライセンス確認のページが見つからない」
「フォントライセンスの許諾はあまりにわかりづらい。もう読む気にもならなくて、あきらめたい気持ちと闘っている」

篤 私も同じ気持ちです。闘ってくれている方、ありがとうございます……。日頃のもやもやをすべて、中野さんにぶつけていきましょう!!

中野 のぞむところです!確かに難しい部分もあるのですが、大事なお話なので丁寧に説明していけたらと思います。
細かい話をする前に、フォントの使い方の違いを説明しますね。モリサワでは、大きく分けて3つのパターンに区別しています。

そもそもフォントは「ソフトウェア」なんです。「どんな使い方」をするかによって、ライセンスの考え方も変わってくるので、まずこの「どんな使い方」なのかを明確にしておくことが重要です。

モリサワでのおおまかなライセンス区分


インストールして使うフォント

 中野  一番身近な使い方は「インストールしたフォントで成果物を作る」かなと思います。無料のフリーフォントやメーカーが販売するフォントをインストールし、Microsoft WordやAdobe Illustratorなどのアプリケーション上でポスターやバナー、テロップ、パッケージ、書籍などの成果物を制作しますよね。

ここでは、それぞれの「成果物の種類」や「利益が発生するかどうか」などによっても、ライセンスが大きく変わってきます。

成果物の種類や商業利用かどうかでライセンスが変わる

 中野 利益が発生するか、という点に関しては例えば、ライセンス上では「商用利用」「商業利用」という言葉で表されています。ただ、この「商用利用」「商業利用」が何かということは法律で定義されていません。

ーといいますと?

中野 つまり、「商業利用」が何を指すのかを決めるのは、提供する側(以下、ベンダー)なんです。ちなみに、モリサワでは「商業利用」という言葉を使っているので、そちらで統一しますね。

ベンダーによっては動画、書籍、放送など用途によってライセンス(価格)が異なるケースもありますし、ある一定の基準を超えたら追加の使用許諾料金を設定しているケースもあります。

一方で、細かい部分まで定義せずに提供している個人ベンダーもいて、このあたりも「わかりづらさ」につながっているんだと思います。不明点があれば、ベンダーにきちんと確認することが重要ですね。

【ポイント】
モリサワをはじめとするフォントメーカーのライセンスはかなり細かく設定されています。 その分すべてを確認するのは大変ですが、あいまいな点が少なく、安心してご利用いただけます。
ちなみにモリサワでは、インストールする使い方(Morisawa FontsSelect Packなど)の範囲内では、動画、書籍、放送など成果物の用途による追加の許諾料の設定はありません。ただし、MORISAWA PASSPORT アカデミック版では、例外的に商業利用が認められていません。

参考:「モリサワがライセンスするフォントの商業利用に関して

 
ーなるほど……。あと、パソコンに複数ベンダーのフォントをダウンロードしている方もいますよね。そういう環境下ではどうしたらいいんですか?

 中野 お、いい質問ですね。1つの成果物にベンダーの異なるフォントが混在している場合は、それぞれのライセンスをクリアする必要があります。

 1つの成果物の中に商業利用NGなフォントが含まれていた場合、販売できなくなってしまうという…...。

ーせっかくの成果物が、ライセンス違反のせいで使えないなんて悲しすぎます。事前の確認が大事!ですね!


Webフォント

中野 Webフォントは、サーバーから配信されているフォントを、ブラウザで一時的に表示させる使い方です。

 前提として、一般的なWebサイトで表示されている文字は、皆さんが使っているデバイスの中にインストールされているフォントで表示されています。Windowsであれば游ゴシックであったり、Macであればヒラギノであったり。
どのフォントで表示されているかは、そのWebサイトのCSSで指定されています。指定されたフォントがデバイスにない時は、使っているブラウザーが勝手にフォロー(別のフォントへ置き換え)してくれています。

Webでのフォント表示のおおまかな仕組み

 Webフォントのシステムを大まかに説明すると、サーバーにフォントを設置し、デバイスがサーバーのフォントを一時的に読み込むことで、どのデバイスで見ても同じフォントで表示されるようになっています。

中野 この「仕組み」こそが、フォントのライセンスをわけている理由です。


組込みフォント

中野 組込みフォントは、機器やアプリへ組み込まれたフォント表示パネルを持つ電子機器(計測機器、スマートウォッチなど)にフォントプログラムを搭載する使い方です。ゲームやアプリもこれにあたりますね。

 ついさっき編集部の人が「自称って何!?」みたいな顔をしていましたが、私の普段のお仕事はこの使い方に関係があります。

ー(ばれてた)そんなことないです!ご説明お願いします!

 ふーん……では気を取り直して。組込みフォントは、インストールしたフォントでグラフィックや動画を制作するイメージとは全く異なります。
実際に関係があるのはアプリケーションやハードウェア、ゲーム開発のシーンです。具体的にはUIデザインを考えられている方や、それを実装する方に関係する話かなと思います。

組込みは、プログラムにフォント情報を入れることで表示

 例えば、何かゲームを作る際に世界観に合わせてフォントを設定したい!となった時、そのゲームのプログラムの中にフォント情報も入れてあげる。Webフォントともまた違うこの「仕組み」の違いが、ライセンスをわけている理由になるんです。

ゲームは本当に一例で、お客さまによって作ろうとしている製品もビジネスの方法も異なると思います。僕たち営業では、どのライセンスをご提案するのが最適なのか、といったことをご提案させていただいています!

ー自称の名に恥じぬ説明ありがとうございます。組込みフォントをご利用の際は、ぜひお問い合わせください!

【ポイント】
組込みフォントに関するお問い合わせはこちら!

2. ライセンス的に使える?使えない? 用途別に見ていこう!

ーライセンスの大枠がわかったところで、用途ごとに使える・使えないケースをお2人に〇×で答えてもらおうと思います。

(この日のために、まるばつ札を購入しました)

動画

クリックすると拡大表示されます(以下同)

ーまずは、最近需要が多くなっていそうな動画から!……と思ったら急に表がでてきましたが、これはなんですか。

 Morisawa Fontsのほかにも、例としてオープンソースフォント(※)や個人販売のフォント(有償/無償)の例をあげてみました。

オープンソースフォント:
オープンソースとは、オープンソース・イニシアティブ(OSI)という団体が定めたオープンソースの定義(OSD)に該当するものを指す。オープンソースのフォント(「オープンソースフォント」ともいう)では、フォントの改変・再配布などが広く許可されている。SIL Open Font LicenseUbuntu Font Licenseなどがあり、それぞれライセンスは異なる。

出典:https://opensource.jp/osd/

中野 ご注意いただきたいのですが、モリサワはAdobe Fontsにもフォントを提供しているので、Morisawa Fontsとこれらには一部同じ書体が含まれていますが、ライセンスの内容は同じではないんです。

ー同じ書体でも、メーカーや製品によってライセンスが変わるんですね。

中野 そうですね。法律上「ライセンスの内容は●●でなくてはならない」と決められているわけではなく、また、JIS規格のような統一的基準があるわけでもないので、メーカーがそれぞれの考え方に基づいてライセンスを作っているわけです。

 そのため、Adobe FontsやGoogle Fontsに含まれるモリサワフォントについては、この表にあるモリサワのルールではなく、それぞれのサービスの許諾範囲でお使いいただくことができます。

その他、仮の名称のフォントは架空のライセンス例となりますので、使いたいフォントのライセンスについては必ずご自身で確かめていただけたらと思います!

【ポイント】
Adobe Fontsのライセンスはこちら
Google Fontsのライセンスはこちら

ーなるほど!ではこの表からピックアップして質問しますね!(デデン!)
そもそも、YouTubeなど第三者への公開を前提とした動画にフォントを使っていいんですか?

多くのフォントライセンスでは「○」ですが、商業利用に注意!

中野 ベンダー毎にライセンス内容が異なるので、確実なことが言えないのがもどかしいですが、多くのフォントライセンスでは問題ありません。そういう意味では○ですね。
ただ、商業利用を禁じているものについては、YouTubeやニコニコ動画などで配信することが商業に当たるかどうかがポイントになります。それによって収益を上げている場合、ベンダーに「商業」とみなされる可能性もあります。

 Morisawa Fontsでは商業利用も認めているので、収益があろうとなかろうと、ライセンスを購入していただいていればOKです。ちなみに、YouTubeのサムネイルでモリサワフォントを見つけるとかなり嬉しいのでどんどん使っていただきたいです……!

ー基本的には好きに使えるんですね!続いて、こんな疑問も見つけました。

 「クライアントに動画データを渡すときにフォントも添付してくださいって言われたんだけど、そんなこと出来るの?」

フォントファイルのコピーは「×」

中野 動画作成時にフォントを使ってテロップを作るのはOKの場合が多い(別料金の場合もあります)のですが、フォントファイルを添付して第三者に渡すのは基本NG。フリーフォントの中には許容しているものがあるかもしれないですが、有償フォントの場合はまずできないと考えてもらったほうがいいと思います。 

 フォントファイルは読んで字のごとく “フォントの情報がまとまったファイル” のことなのですが、これをコピーして誰かに渡すのはNGです。


Webサイト

ー最近のフォントの用途で一番多いのがWeb サイトかもしれません。

「Webサイトのバナーに使うフォントについていろいろ調べてるんだけど、バナーで使ったフォントをWebフォントとして使えるの?」

ーバナー制作にMorisawa Fontsは使えますよね?じゃあ、Webフォントとしても使える?

Morisawa Fontsは、Webフォント利用はできません…

中野 バナーでも何でも画像になっていれば、それをWeb上で使うのは全然OKなんですよ。ただし、Morisawa Fontsのフォントをサーバーへ設置し、閲覧者にWebフォントとして配信し表示させるのは「×」。

再掲

 Webサイトにフォントを表示させる方法はいくつかあるんですけど、Webフォントは、サーバーから送信されたフォントファイルを一時的にデバイスの中に引っ張ってきて、ブラウザーで表示させる方法が一般的です。

そういった仕組み上、悪意がある閲覧者がいればフォントファイルをごっそり抜き取られるおそれもあり……。
ということで、Morisawa Fontに搭載されたフォントをWebフォントとして使用することは残念ながら「×」になるんです。

中野 ちなみに、フリーフォントには「何でも使えます」と書かれたライセンスもあるんですけど、特にお仕事でWebフォントとして利用する場合は、ベンダーに問い合わせたほうが安心ですね。

篤 ここでひとつ、僭越ながら……。

ー……はい?

 モリサワでは「TypeSquare」というWebフォントサービスを提供しています。モリサワフォントをWebでも使いたい場合はぜひこちらをご利用ください!

ー急に営業部みたいなことしてる!がしかし、ぜひよろしくお願いします!


電子書籍

ー電子書籍はどうですか?最近は個人で制作してAmazonなどでダウンロード販売するケースもあるので、クリエイターの立場の方はすごく気になるところだと思うんですけど。

場合によるため、「△」です

中野 制作方法にもよるので「△」ですね。

 電子書籍の営業にも関わったことがあるのですが、これが結構ややこしくて。電子書籍には、固定レイアウトの「FIX型」とデバイスに合わせてレイアウトが変わる「リフロー型」があります。

電子書籍の表示の仕組み

ー画像!ということはWebと同じように考えるとFIX型は問題ない.…..?

 おしい!!画像の場合はOKです。ただし、FIX型でも作成時にフォントファイルが含まれる場合もあって、これはNGなんですよね。

中野 そうですね。Morisawa Fontsのライセンスでは、「埋め込まれたフォントを取り出せない」ことや、禁止事項に「フォントファイルから文字情報を取り出して別のフォントを作る」ことなどを要件に挙げています。
そのため、EPUBでもフォント情報を使用するデータ形式の場合は、今のところは認めていません。

ーふーむ、なかなか複雑ですね。とりあえず、フォントファイルを直接扱うタイプの利用がNGなことは何となくわかってきました。


アプリケーション

ーアプリに使うのはなかなか難易度高そうです。SNSではこんな声も。

 「ゲーム作るときのフォントって限られる。ライセンスをよく見るとアプリに組み込むのはNGっていうのが多い」

   アプリやゲームの世界観を出すために、特定のフォントを表示させたいという需要はあると思うんです。
フォントを使って画像を作り、その画像ファイルをアプリやゲームに搭載するのであれば基本はOKなのですが、開発シーンでは「組込み」という方法を使うことが多くみられます。

再掲

中野 SIL Open Font LicenseUbuntu Font Licenseなどのオープンソースのフォントライセンスでは、アプリやゲームへのフォントの組込みも許容されているようですが、アプリに関しては別料金で提供しているベンダーがほとんどだと思います 

 ベンダーによっては、オプションを購入することでアプリへの組込みが可能になるライセンスを設けていたり、単純にWebサイト経由で買えるアプリ組込みライセンスがあったりもしますが、モリサワの場合は別途お問い合わせいただく形を取っています。

中野 また、モリサワのライセンスでは「フォントから画像を作ったあと、その画像をフォントのように使うこと」をNGとしています。1文字ずつ画像化して、何かしらの仕組みと合わせて並べ替えられるようにする、といった使い方ですね。

 1文字だけ画像化すること自体をNGとしているわけではないので、ご注意ください!


印刷物

ーややこしい話が続いたあとにこの表を見て少し安心しました!!印刷前提のフォント利用はなんでもいけそうですね。

(いい笑顔…)

  そうですね!!

 中野 商業利用不可のフリーフォントを除いて、おおむねどんな使い方をしても問題ありません。ただ、くどいですが、ベンダーによっては別料金となることもあるので、念のためライセンスをチェックしてください。


ロゴ

「え!商業利用OKでもロゴ利用不可のフォントがあるの!?」

 中野 こうSNS上でつぶやかれている方は、ひょっとすると商業利用と商標登録を混同されているのかも。「商業利用」と「商標登録」は全く別物です。

「商業利用」はフォントを使って制作した成果物をビジネスのために使用することなどを指し、「商標登録」はフォントを使って制作したロゴなどを特許庁に申請して登録してもらうことを指します。

ーなるほど。モリサワのフォントを使ってロゴを制作し、商標登録することはできるんですか?

(負けじとこちらもいい笑顔…)

中野 『Morisawa Fonts』に搭載されたフォントで制作したロゴであれば、商標登録可能です。ただ、MORISAWA PASSPORTの使用許諾では商標登録を認めていないので、その点はご注意ください!

 商標登録がOKになったのは、営業していても喜ばれる点ですね。どんどんMorisawa Fontsを利用して制作してほしいです。


フォント加工

ーすみません。「フォントの加工」って、そもそもどういったものを指すんでしたっけ。

 中野 文脈にもよりますが、「フォントの加工」というと、一般的にはフォントプログラムを書き換えることを指します。このような行為は、例えばオープンソースフォントでは許可されていますが、Morisawa Fontsでは禁止されています。

 「フォントプログラム自体を触って、ある文字の一画目の横棒の形を変える」のはやめてね、って話ですね。

中野 そうですね。これに対して、Morisawa Fontsでも、アプリの機能を使ってフォントから文字の線をアウトライン化して取り出し、そのアウトラインを加工するのはOKです。
ただ、加工したアウトラインを、新しいフォントプログラムにして再配布することは禁じています。

 ー外字はどうですか?

外字作成も場合によります

 あ、一応説明しておくと、“外字” というのは文字セットに含まれていない文字のことで、作成していいかというと……。

外字:
一般的には、文字セット「JIS X 0208」に含まれない文字のことを指しますが、DTPの現場では使用しているフォントに含まれない文字や記号を総じて「外字」と呼ぶこともあります。

参考:外字 | フォント用語集

中野 モリサワのフォントでは作成は可能です。書体にない文字を別のファイルとして作成して、第三者と共有することができますが「双方共にモリサワのフォントを持っている場合のみ」と条件を付しています。先方がモリサワフォントを持っていなければ「×」です。

 自分だけでなく、相手の環境も確認しておかないとですね!


その他

ー制作した成果物へのクレジット表記はどうなんでしょう。

 中野 不要なケースがほとんどです。フリーフォントだとたまに「任意ですが、表記してもらえるとうれしいです」と記載されていることがあります。

  Morisawa Fontsは不要ですけど、明示してくれたら社員のモチベーションが上がります(笑)。

ーほかにやっちゃいけないことってありますか?

 中野 繰り返しになりますが、フォントファイルをそのままWeb サイトに載せるような成果物の制作方法は「×」です。時折、間違ってフォントファイルを抽出して載せるケースもあるので。

それと、有償のライセンスは1PC、1アカウント単位の料金体系が多いので、フォントファイルを丸々別のPCに移したり、第三者に渡したりすることはまず認められないと思ったほうがいいです。

 ーそれをやるとどうなるんですか……(ゴクリ)。

 中野 不正事例には相応の対処をすることになります。

 僕たちも、営業してきちんと買ってくれているお客様に面目たたないですからね……。

中野 そうですね、きちんとライセンスを購入していただいた方が損をしないようにすることは、われわれフォントメーカーの責務だなと思います。


3.まとめ

 今回、ライセンスに詳しいお2人にさまざまな質問をぶつけてみましたが、いかがでしたか?みなさんの「わかりづらさ」や「ややこしさ」解消に、少しでも役立てていただけると幸いです。

フォントメーカーのライセンスは意外と使える範囲が広く、またNG事項が明確なだけに、ポイントを抑えていればそうやっかいではないことも、お伝えしたいことのひとつ。
とはいえ、フォントに関して少しでも迷うところがあれば、まずはメーカーに問い合わせることが確実かつ早く解決できるポイントと言えそうです。
モリサワへのお問い合わせは下記フォームからお願いいたします!

また、有償・無償を問わず、フォントライセンスの内容は更新されることがあるので、常に最新の内容をチェックすることもお忘れなく。

最後までお読みいただき、ありがとうございました〜!(担当:M)

※掲載画像と本文訂正のお知らせ(2023年7月14日 更新)
初掲載時、「電子書籍」(FIX型)において、一部誤解を招く表現がございましたので、該当の表組と本文を修正いたしました。
大変失礼いたしました。

最後に(こっそり)オフショットをどうぞ!

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