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年末年始にも使える!新書体&特殊紙を使ったPOD印刷アイデア

年末年始といえばクリスマスお正月。イベントが多い時期は何かと紙を使うシチュエーションがでてきます。クリスマスカード、年賀状、商品ラベル、広告…などさまざまなケースで紙が必要となることも多いです。

そこで今回は年末年始にも使えるモリサワ2023年新書体特殊用紙を使ったPOD印刷アイデアをお届けします。

PODとは「Print on Demand」の略で、必要な時に必要な部数だけ印刷する方式のことです。モリサワではPODデジタル印刷機器類の販売も行っております。


デジタル印刷機で使える特殊紙って?

近年はデジタル印刷機を使用し、POD方式で印刷することが多くなっています。昔はデジタル印刷機では使えない紙が多くありましたが、現在ではデジタル印刷機でも扱える特殊紙がたくさんあります。

①銀、金ピカ用紙
②帳票、包装紙などにも使用できる薄紙
③色付き・透明などの粘着ラベル(シール)用紙
④環境に配慮している紙
⑤抗菌用紙

さまざまな特殊紙の印刷物

さらには特色も利用できるデジタル印刷機もあるので、製作物に特別感や高級感をプラスすることができます。

特色とくしょくは、印刷においてプロセスカラー(CMYKの4色)では再現できない色を表現するために、あらかじめ調合(調色)されたインク(トナー)のこと。

そして今回ご紹介するサンプルは富士フイルムビジネスイノベーション株式会社様ご協力の元、特色(ゴールド、シルバー、ホワイト、クリア、カスタムレッド、ピンク)を含めた6色プリントが可能な「Revoria Press PC1120」を使い印刷しました。

「アルデオ」を使ったあたたかみのあるクリスマスカード

年に一度のクリスマス。外は寒いけど、ビールを飲んで賑やかに楽しく過ごしたい!そんな方にぴったりなのは…
ビールを使った「クラフトビールペーパー」のクリスマスカードはいかがでしょうか?

アルデオ」のフォントで親しみやすさを、紙であたたかみの感触を、特色の「ピンク」と「ホワイト」を使って目を引くカードにしてみました。

「アルデオ」はインパクトがありながらも親しみやすいフォントです。見出し利用に適した太さをもち、広告やコミック、ロゴなど、目を引きたいシーンで活躍します。

用紙の「クラフトビールペーパー」は廃棄されるモルト粕を混ぜ込んだクラフト紙であたたかみのある環境にも優しい紙です。

ほんのりビール色、ところどころに粕が残る色味や繊維の質感がある紙です。

環境への配慮、クリスマスの楽しさや賑やかさ、ついでにビールで一杯…そんなクリスマスカードです。

「A1明朝」を鮮やかな赤で表現した年賀状

新年に届く年賀状。親しい人から届くことが正月の楽しみの一つでもあります。そんな年賀状は日本古来からつづくお正月の和のイメージを大事にしたいものです。

そこで「ニンジンペーパー」で和風で豊かな質感を、特色「カスタムレッド」と「A1明朝(AP版) B」で正月の優美な印象に仕上げてみました。

A1明朝」は画線の交差部分に写植特有の墨だまりを再現するなどし、やわらかな印象と自然な温かみを感じさせます。2023年新書体では新たに「M」と「B」のウエイトが追加されました。

特色「カスタムレッド」を使った文字。CMYK4色で表現するより鮮やかな赤になります。

紙は「vegi-kami-FS ニンジン」。食品加工時に廃棄されるニンジンの皮を混ぜ、素材の持つ色・質感は残したフードロスペーパーです。SDGsエコの取り組みを進めたい方などにはおすすめの紙の一つです。

表面にほのかなオレンジ色のつぶつぶが見え、豊かな表情と質感を感じられる紙です。

紙の需要は減っているとはいえ、あえてお金と手間がかかった年賀状は特別感もあり、受け取る側にも好印象を与えるのではないでしょうか?

かわいらしい「つぶてん」で明るく元気な年賀状

つづいて年賀状第2弾です。日本の正月のイメージも大事にしつつ、明るく元気で子供にもイイね!がもらえそうな雰囲気にしてみました。

つぶてん」と特⾊「ゴールド」で可愛らしく正⽉らしい華やかな印象になり、「⽜乳パック」が含まれた紙で優しくさわり⼼地のよい年賀状になりました。

印刷はゴールドとテクスチャード紙トナー(エンボス紙などの用紙に高品質にプリントできるトナー)を使用しています。

つぶてん」はコロコロとした印象のかなに安定感のある漢字を合わせており、可愛らしさの中に真面目さを感じさせます。動画テロップやパッケージ、ポスターの見出しなどで、キャッチーな印象を与えます。

「つぶてん」印字部分。特色ゴールドを使用しています。光の加減によって色合いが変わります。

紙は「ニューズ ミルク」。牛乳パック50%以上、バガスパルプ20%以上配合し、環境にも配慮している用紙です。

バガスパルプは、サトウキビから発生する絞りカスを利用して作ったパルプのことです。

www.panoco.co.jp/newsite/bagaspulp.html
表面は凸凹したエンボス紙ですが、 感触はふわっとした柔らかさの優しいさわり心地の紙です。

エンボス紙はなかなか色がのりにくく、印刷自体が難しいことが多いのですが、最近のデジタル印刷機ではキレイに印刷ができます。

牛乳パックのほんのり優しい風合いと可愛らしさのある書体を使った年賀状で明るく新年を迎えてはどうでしょうか。

金×金で豪華に! 「史仙堂楷書体」のおせち

次にご紹介するのは正月にピッタリな「」に「」を重ねたインパクト抜群の豪華絢爛おせちラベル(粘着シール)です。

お正月くらいは豪華な食事を!!!という皆様に。
金ラベル」のシール用紙に特色「ゴールド」で華やかな高級感を、「史仙堂楷書体しせんどうかいしょたい」を使用することで商品への品位や信頼感を与えます。

史仙堂楷書体」は筆耕士・信長宏氏の文字をフォント化したもので、40年以上の経験に裏打ちされた筆の息遣いを感じさせます。賞状や証書はもちろん、商品パッケージなどの使用に適しています。

紙はアルミ素材の金ラベル「ハイピカG」の特殊紙を使用し、さらに豪華さを表現するため特色の「ゴールド」を使いました。

金ラベル「ハイピカG」。光の当たり方によって印象が変わります。

金色は華やかで高級感を与えます。和が漂う筆書体と合わせてお正月の豪華な商材に利用してみるのもいいかもしれませんね。

透け感が「プフ サワー」とマッチ? お酒ラベル

お酒を飲む機会が多いこの時期、自宅で女子会!なんてこともあります。
そんなお酒大好き女子におすすめなのがピンクのお酒ラベル。

ピンクを使って女子力アップ……ということではないですが、鮮やかなピンクをみるとテンションが上がって明るく元気な気持ちにしてくれます。

透明ラベル(粘着シール)」用紙に特色「ピンク」と「ホワイト」、さらには新書体の「プフ サワー」を合わせて、ちょっぴりレトロで乙女心をくすぐりそうな商品ラベルはいかがでしょうか?

使用した書体は「プフ サワー」はすっきりとしたハライを持つハイコントラストなデザインで、パッケージや書籍の装丁などでレトロな雰囲気を表現することができます。

紙は透明な一般ラベル(粘着シール)用 「フジクリア50ASW」の特殊紙を使用しています。最近のデジタル印刷機は透明なラベルにも印刷ができるんです。

透明ラベルはノベルティやキャラクターの物販用のシールとして利用するのもおすすめです。お見せできず残念ですが、実物は画像よりとっても可愛い仕上がりになっています!


以上、新書体を使ったPOD印刷サンプルのアイデアを紹介しました。
フォント選択に加えて、用途にあわせて機器や素材を総合的にカスタマイズできるとより良い制作物にすることができますので、ぜひアイデアの一つとしてご活用ください。