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ブランディングは見える化マップで前に進む 〜ロジックだけでは前に進まないのがブランディング〜

モリサワでは、MORISAWA PASSPORTのユーザー様向けに、フォントの選び方や使い方、書体開発やデザインにまつわる内容をご紹介する「Font College(フォントカレッジ)」を、これまで不定期で開催してきました。
今年7月から始まった「Font College Open Campus (フォントカレッジ オープンキャンパス)」では、ユーザー様だけでなく一般の多くの皆さまにフォントのことを知っていただけるよう、公開講座として開催しています。

2022年8月26日(金)に開催された今回の講師は、株式会社写真化学の的井光徳氏。「ブランディングは見える化マップで前に進む〜ロジックだけでは前に進まないのがブランディング〜」と題し、ブランドの価値創出をゴールとするブランディングにおいて、重要な実践術となる「事業の可視化戦略」についてご講演いただきました。


第一部 「文字は声に似ている」~フォントの特徴について~

まずは第一部。モリサワ担当者より「文字は声に似ている」と題し、フォントの印象を左右する、文字の特徴についての講義。冒頭は7月1日(金)に開催された前回のおさらいとして、フォントのおおまかな分類や、文字を構成するパーツなどの基本情報を確認。私たちが日頃感じ取っている文字の「雰囲気」に関わるポイントを1つずつ見ていきました。
ちなみに、フォント選びの時に便利な「Font Map」をご存知ですか?モリサワのホームページからダウンロードできますので、ぜひご活用ください。

さらに今回は和文と欧文を組みわせる「和欧混植」についてもご紹介。和文と欧文で別のフォントを組み合わせる際の注意点を解説しました。一般的には、和文に比べて欧文の方が小ぶりに見えがちなので、組み合わせる際にはサイズやラインを揃えたり、太さが揃って見えるようにウエイトを調節するなど、文字を並べたときに文章が違和感なく読めるようにする必要があります。

近年ではブランディングの第一歩として、自社で使用するフォントを定める「コーポレートフォント」を導入する企業も増えています。
コーポレートフォントは、いわば「会社の声」。オリジナルフォントを一から開発することもありますが、フォントの開発となるとハードルが上がってしまいます。
そんなときに、既存の和文と欧文のフォントを組み合わせることで、1つのフォントだけではできない新たな表現を生み出すことができるのです。
これを機に、企業のオリジナリティや世界観を表現する「コーポレートフォント」の導入もぜひご検討ください。

コーポレートフォントの事例はこちら



第二部 「ブランディングは見える化マップで前に進む」~ロジックだけでは前に進まないのがブランディング~

第二部は、的井氏による講演です。ブランディングを成功に導くためにはどのようなメソッドが必要なのでしょうか。
株式会社写真化学は、京都を主な拠点とし、印刷事業を軸とした“メディアカンパニー”として、広報・販売促進プロモーションに携わってきた企業です。
「企業の課題を解決するため、ブランディングやプロモーションを同じ目線で考えていくことを大切にしています」と的井氏。経験に基づく独自の目線から、様々な戦略的アプローチを語っていただきました。


0.はじめに

ブランディングを進めるにあたって「何から始めたらいいのか」に悩む方は多いでしょう。的井氏は、「今の事業の視覚化」からはじめるべきだといいます。

「『脚下照顧(きゃっかしょうこ)』という仏教の言葉があります。自分の足下を見つめ直し自分のことをよく見極めなさい、あなたの一番大切なものはまさに足元にあるのです、というような意味ですが、まさにブランディングの取り掛かりもこれに当てはまります。
ブランディングにおいて有効とされるビジネスフレームの種類は様々ですが、まず初めの手がかりは、今の事業・製品・技術を把握することだと考えます」

今の現在地を見つめ直すこと、これが今回の重要なテーマとなります。それでは早速、順を追ってみていきましょう。

【Contents】
1.ブランディングについて
2.ブランディングの進め方について
3.事業を視覚化するということ
 3-1.実際の実施例
 3-2.実際の進め方
4.ブランディングのまとめ
5.最後に

1.ブランディングについて

まず、ブランディングの重要性について考えましょう。なぜ今、「ブランディング」が求められているのでしょうか。
近年、国がデザイン戦略を推し進めているのをご存知でしたか?特許庁が2018年ごろに製作した『みんなのデザイン経営』というハンドブックがあります。特許庁のホームページ上で無料でダウンロードが可能なものですが、このハンドブックは、「特許庁デザイン経営プロジェクトチーム」が発行しています。

デザイン経営とは、デザインの力をブランド創出やイノベーションに役立てる経営手法。このハンドブックの中には、経営に悩みを抱える企業が自分達にあったやり方を実践するためのヒントや、実際にデザイン経営を取り入れてきた企業事例などが掲載されています。
また、経済産業省と特許庁が2018年に発表した『「デザイン経営」宣言』では、日本と世界のデザイン経営の違いに関して、以下のように述べられています。

「世界の有⼒企業が戦略の中⼼に据えているのがデザインである。⼀⽅、⽇本では経営者がデザインを有効な経営⼿段と認識しておらず、グローバル競争環境での弱みとなっている 」

経済産業省・特許庁 産業競争力とデザインを考える研究会『「デザイン経営」宣言』,2018,2頁

デザイン戦略を重視している企業は顧客に長く必要とされ、現在も成長し続けています。ところが日本では、経営者がデザインを軽んじているケースがまだまだ多いのが実情。労働力の減少により世界のメイン市場との差が開いてしまった日本に、国は危機感を抱いているのです。

同じく『「デザイン経営」宣言』の中では、デザインには2種類あると示されています。1つ目は、製品や事業の構築という意味での「ブランド構築のデザイン」、2つ目は、「イノベーション構築」のためのデザインです。
イノベーションとは、日本ではしばしば「技術革新」と訳されてきましたが、欧米では少し意味合いが違います。それは「発明(Invention)そのものではなく、発明を社会に実装し、その結果として社会を変える(Innovation)」というもの。つまり、イノベーション構築のためのデザインとは、技術やサービス、製品などを社会に浸透させる橋渡しのような役割を担っているのです。特許庁は、日本がイノベーションの世界においてもデザインで遅れを取っているとして、さらに以下のような警鐘を鳴らしています。

「ダイソン、アップルなどの企業は、特許出願が増えた後に意匠登録が増えるのに対し、日本企業の多くにおいては、1980年代に盛んだった意匠登録が、1990年代以降は低迷している 」

同書,3頁

上記はもちろん、ダイソンやアップルだけがいい技術を持っていると言いたいわけではないでしょう。ですが、デザインというものを、「マーケティング含め顧客とのコミュニケーション技術の全て」と解釈するのであれば、日本は技術を顧客に伝えていくためデザイン力も不足していると言えそうです。
冒頭から耳が痛い話が続きましたが、まず日本企業は、ブランド戦略に立ち返ってみることが重要なのかもしれません。的井氏は以下のように定義します。

「ブランド戦略とは、“支持”を獲得し続けるための戦略であると考えています。本が100冊あれば100通りのキャッチフレーズがあるように、1つの考え方、1つの見方を軸に、ビジネスを通じて顧客の支持を獲得し続ける、ということです」

ブランディングは、簡単に言うと3つのポイントを決める作業だといいます。まずはクライアントが「何をしたいのか」、次にそれを「どう見せるのか」、また最後に「社会とどう繋がっていくか」。何をしたいのかという部分はビジネスコアの部分、どう見せるのかはデザインの領域ですが、ブランディングではそれだけではなく、どのようにして社会とリレーションやコミュニケーションを取っていくかということまでを考えるのです。この3つを押さえてブランディングを発動することができれば、社会からの認知や理解が深まるだけでなく、社内でもブランドへの愛着が増すという好循環が生まれます。

2.ブランディングの進め方について

ブランディングの重要性を押さえたところで、進め方について見ていきましょう。
ブランディングに関するビジネス書などを見ているとよく「ペルソナ」という言葉が出てきます。これはターゲットを明確に捉え「誰に見せたいか」を分析するために使われる用語です。確かに欠かせないキーワードではありますが、的井氏は、まず企業の課題を整理することの方が重要であると考えます。まずその企業が「どうしたいか」「どうみられたいか」を明確に定めていく必要があるのです。

「冒頭にお伝えしたように、まさに今立っている足元を深く見ていくフェーズです。ブランディングしたい対象物の、そもそもの現在地がどこなのかを認識しなければ、次の展開は得られません」

ここで、いよいよ「事業を視覚化する」という今回のテーマが出てきます。視覚化とはつまり対象物の課題(=現在地)を探ることであり、この発見がブランディングの入口です。そして視覚化の作業はデザイナーに限らず誰もができる作業。「仏作って魂入れず」という言葉があるように、いきなりビジュアルだけを作ってはうまくいきません。

もう少しだけ前提部分のお話として、「ブランディングとプロモーションが違う」ということを押さえておきましょう。両者の違いは一言で言えば、一時的か継続的かということですが、細かく見ていくとさらに明確な違いがいくつかあります。対象コンテンツが商品を指すか事業全体を指すか、売上の寄与が短期的か長期的かなど、目指す指標のスパンが異なります。どちらも売上に寄与することが目的ではありますが、ブランディングが根強くあるとプロモーション効果も出やすいということがいえます。

繰り返しになりますが、事業の視覚化とは、その現在地を見るということです。現在地がわかると、今その会社に何ができるのかが分かりますし、同時に課題も露出してきます。「何をしたいか」を考える一歩手前として、この作業は欠かせません。

3.事業を視覚化するということ

では実際に、どのように視覚化していったらいいのかを見ていきましょう。
ポイントは、「なんでも絵にしたらいい」ということです。この図をご覧ください。

よくマーケティング業界で使われる用語で「AISEASE(アイシーズ)」というものがあります。これは、「注目」「興味」「検索」……最後に「共有」と続くように、消費者の購買意識のプロセスを表した用語です。この言葉を説明したい時に、テキストの羅列だけでうまく伝わるでしょうか。こうしたロジックを誰かに伝えるときは、以下のようにビジュアルを入れると分かりやすくなります。

ビジュアルによって誰にでもわかりやすく伝える。この効果こそが「事業の視覚化」の目的です。

「事業の現在地がわかったとしても、それを視覚化することなくテキストだけでまとめて共有してみても、文章の受け取り方は人それぞれ。『私はこう思う』『これってこういう意味ですか?』という意見が必ずといっていいほど出てきて、時間がもったいないですよね。更にこうした議論の時こそ、社内で声が大きい人の意見が通ってしまうという傾向も。ところがビジョンが絵になっていると、途端に議論が民主的になります。目指す全員が同じ方向をイメージすることができて、大きな声も小さくなり、物事が一気に進むんです。絵の力って本当にすごいんですよ」

3-1.実際の実施例

視覚化の例をさらに挙げていきましょう。いくつかの架空の企業を想定して作成して見たものです。
まず一つ目は医療品関係のサプライヤー。病院の消耗品や備品を売っている会社があるとして、自分達の企業の構造を改めて理解するための一枚絵です。新規製品の開発などを検討するのに役立てられそうです。

二つ目は、センサーの会社です。どのような製品があるか、製品構成を図式化したものです。

三つ目は化学系の会社です。いろいろなサービスを一枚にまとめ、マーケティング展開の材検討料にすることを想定しました。

このように、企業の現在地を示す一枚絵が「見える化マップ」です。企業の現在地を定めることで議論が進めやすくなるわけです。この段階ではもちろん、ビジュアルにこだわる必要はありません。エクセルなどを使ってグラフや表で示すこともできるでしょうし、どのような方法でもいいのです。
また、ブランディングというと事業全体を取り上げることが多いですが、一つの製品にクローズアップすることもあるでしょう。その場合は、例えば全体絵の一部をクローズアップするような作り方ができると思います。
その場合は、企業全体の構造ではなく、ユーザーとの関係を深く読み解くような作り方になるかもしれません。いずれにせよ共通しているのは、「現在地を深く読み込まないと絵にすることはできない」ということです。

3-2. 実際の進め方

実際にマップを作っていくプロセスを見ていきましょう。
クライアントから一つの製品についてのブランディングの依頼を受けたとします。まず初めに、その製品の開発プロセスなど、その製品に関する資料を集めましょう。これがマップを作る材料となります。そして、マップがある程度作れたら、クライアントではなくまず社内で初見の人に見せてみてください。そうすると、おのずとビジュアルの方向性が定まってきます。

「このプロセスを楽しそうにすることが大切です。手法としてはインフォグラフィックスの考え方ですね。伝えたい情報を分かりやすく絵にして示すということです。どうしたら伝わるかを楽しみながら考えて、そして必ずレビューももらってみてください」

こうしたプロセスは、数学の帰納法や演繹法のようなものと言えます。帰納法とはつまり「事実から法則性を見つける」ということですが、調べたデータや事実から、その企業や製品の特徴に対して仮説を立てるという作業は、まさにこれに当てはまります。この段階では言語化していくことが重要なので、ビジュアルに起こす必要はありません。そこから、その仮説を踏まえてビジュアルを作り、検証するステップに移りますが、これは「ある出来事から次の出来事を類推する」という演繹法の考え方。帰納法と演繹法、言語化とビジュアル化の往復を繰り返しながら、見える化マップが完成していくのです。

「言語を集めてビジュアル化するという作業、つまり“原風景化”とも言える作業だと思いますが、このように、心に思い浮かぶ雰囲気を表す象徴的なビジュアルを生み出す力は、デザイナーの方がまさに得意とするところだと思います。ロゴデザインは、まさにそうした作業の結晶ですよね」

これは、生産者とクリエイターのコラボレーション製品を企画する「Osaka Metro クリエイト」という新規プロジェクトで、実際に的井氏が手がけたロゴデザイン。「ヒト、モノ、コト、大阪、が集まってみんなが楽しくなるようなものづくりをしていこう」という思いを、モーションを交えてデザインされています。プロジェクトの思いを言語化し、クリエイティブとして実現した一例となります。
また、第一部でも触れたように、企業の声色として「コーポレートフォント」を定めることも、ブランディングには不可欠。コーポレートロゴはもちろん、正式社名や住所表記も、必ずフォント指定しておいた方がいいでしょう。

「このように、ブランディングというのは、言語化とビジュアル化の往復運動ができて初めてできる仕事です。なかなか大変な作業ではありますが、資料を集めることができれば必ず絵にすることができますし、ここで粘れるかどうかが最終的な出来上がりを左右します。入念なリサーチを踏まえた視覚化があると、その後完成したブランドは長く愛されますので、ぜひ頑張ってください。」

4. ブランディングのまとめ

ここまで見てきた「見える化マップ」のメリットをまとめると大きく三つ。一つ目は、絵にするには深く読み解く必要があるため、経営の課題が浮き彫りにできるということ。二つ目は、社内の議論が民主的に行われるということ。最後に、私たちに何ができるのかが明確になり、ブランディングのスタートラインに立てるということです。もちろんこの先には、ブランドコンセプトの設定やブランドストーリーの組み立て方など、重要な作業はいくつもありますが、見える化マップを作ることはブランディングにまつわる工程のおよそ40%程度を占めるとも言えます。やはり原点は「脚下照顧」。足元をしっかり見つめることが何よりもまず大切なポイントなのです。
最後に的井氏は、自身が好きだという言葉で本題を締めくくりました。マーケティングの軸に据えるべき、含蓄のあるメッセージです。

5.最後に

補足情報として、デザインがどのような投資効果をもたらすかを、特許庁が示すデータで見ておきましょう。

経営戦略としてデザイン投資を行ったヨーロッパの企業は、4倍の利益をもたらすと言われています。また、デザインを重視する企業の株価は10年間で2.1倍、デザイン賞に登場することの多い企業の株価は、10年間で約2倍に成長していることがわかります。
デザイン戦略がブランディングにおいてどれほど重要なのか、ブランディングをしっかり構築した企業がいかに長く愛されるかということがよくわかるデータですね。


Q&A

講演の最後に、視聴者の方々から寄せられた質問にお答えいただきました。

Q1 「何をしたいか」と「どう見られたいか」とは、かなり近しいものに感じるのですがこの二つの違いは何ですか?
― 何がしたいかというのは、企業で言うと「何を社会に広めていきたいか」、どう見られたいかと言うのは「お客さまやユーザーからどのような評価を得たいか」ということです。人間に置き換えると、「自分が何を頑張っていきたいか」と「自分はどんな服を着たいのか」というような言い換えができると思います。

Q2「ブランディングが成功した」と言うことを何で測ればいいのでしょうか。またチェックするタイミングはいつですか?
― 売り上げが上がることが一番ですが、最近はSNSがとてもわかりやすいと思います。ファンの数、フォロワー数やエンゲージメント数というものは数値として有効です。また、LTV(Life Time Valueの略。顧客生産価値と訳される)の算出も、指標になるのではないでしょうか。時期としては、大体は5年〜10年というスパンで見ます。ブランディングは長期的な目で見ていくものなので、時間をかけて、当初の位置からどこまで上がったのかを測ります。

Q3 以前、クライアントの企業に向けて、コーポレートフォントを指定するなどといったビジュアルアイデンティティのマニュアルを作りましたが、年月が経つことによって意識が薄れてきたと感じます。クライアントが飽きずに、継続して活用してもらうコツはありますか?
― ユーザーがそのブランドに本当に「飽きている」のかを見極めることでしょうか。ボルボや、トヨタと聞いてイメージするロゴがあるように、ブランドとは長く支持獲得されるものです。あくまでユーザーを大切にすると言う目線でビジュアルを意識してもらうことが大切です。そのブランドに飽きたかどうかと言うのは発注者側が決めることではないのです。

Q4  社内にブランディングを大切と思わない人がいます。その人たちを巻き込んでブランディングを進めるためには、どう説得したらいいでしょうか。
― やはりこう言う時こそ、事業の見える化、自分達の事業を絵にして説明することが大事だと思います。さらに、社内での説得に使うのであれば、競合他社との位置を示すことも効果的かもしれません。縦や横の軸で見た時の現在の企業の位置付け、製品やブランドのポジションマップ化などを用意して伝えてみてはどうでしょうか。あとは私だったら、最後に引用した言葉のように「ブランディングって世間に勝手に作られてしまうけど本当にそれでいいの?」と問いかけてみますね。

Q5 ブランディング当初の企業情報の精査の段階で、経営状況をどれくらいヒアリングしますか?クライアントの経営にどこまでコミットするのか判断が難しいと感じています。
― 上場企業であれば情報が公開されていますし、事業報告書を見せていただけるのであれば確認したいです。そしてそういう要望はきちんと伝えます。少し根性論のようにはなってしまいますが、自分が本当にお客さまのことを考えているのだということ、そしてその数字に真摯に向き合う姿勢だということを丁寧に伝えるようにします。

Q6 課題整理をしていく中で、クライアントの痛いところをついてしまうシーンがあったとします。その場合の伝え方はどう工夫されますか?
― リサーチと検証を深めていくと、どうしても痛々しいところを見つけてしまう時はもちろんあります。ただ、そうした課題を、デザインでクリアするのはどうしても難しいものです。なので、唐突に指摘するようなことは決してしませんが、軋轢を生まないように愛嬌を持って伝えていきます。最後には人と人とのことですので。

ブランディングをする上でまず重要な視覚化。それは相手をよく知ることであり、相手への誠意や愛情は、人と人とのコミュニケーションともよく似ていると感じました。「見える化マップ」は企業の声を伝える上で欠かせない、コミュニケーションツールと言えそうです。


Font Collegeはこれからも不定期に開催し、noteでレポートを掲載していきたいと思います。今後の掲載も、どうぞお楽しみに!


株式会社写真化学メディアカンパニー