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インタビュー

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フォントを作ったり、使ったりしている方々のインタビュー記事をまとめています
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記事一覧

リズム感を感じる書体選びで読む人の意識を引き留めるデザイン

2024年4月、原宿にオープンした商業施設・東急プラザ原宿「ハラカド」。施設の3階には、企業ブランディングや音楽関係のアートワーク、地域活性化プロジェクトなど、さまざまなジャンルのデザインを手がけるデザイン事務所「れもんらいふ」が、オフィスを併設したクリエイターが集まる場所を構え、ファッショナブルな原宿の文化を継承し、新たな文化の創造に取り組んでいる。 今回ご紹介するのは、株式会社れもんらいふの代表で、2023年夏に公開された映画『アイスクリームフィーバー』の監督も務めるア

「文字」から始まるデザイン

広告グラフィックデザインには、文字を中心に構成された表現も多く見かけます。「ことば」の意味を理解してほしいという狙いがある一方、ビジュアルとしても見せる必要があるデザイン。そのデザインが、企業の理念や指針をどのように印象づけるかは「ことば」を装飾するフォント選びと、細やかなチューニングがあってこそ成り立つものとも言えます。 今回は、デザインで株式会社にインタビュー。企業の指針やキャッチコピーなどの「文字」から始まるデザイン事例から、フォント選びの重要性と、より研ぎ澄まされた

経済ニュースメディア「NewsPicks」のデザインに学ぶフォントの役割

「新しい視点を集めて、経済の未来をひらく」というコンセプトで、金融・経済にとどまらず、政治社会などの時事ネタを含め、海外ニュース、教育やキャリアといった幅広いジャンルで経済ニュースを発信している「NewsPicks」。 写真と記事で構成される経済ニュースのほか、イラストや図解を用いた “インフォグラフィック記事” が年間約100本配信されています。記事はスマートフォンで閲覧されることを想定し、難しい経済情報や社会情勢をわかりやすく噛み砕き、テキストに図や写真、シンプルなアイコ

【座談会】 デザインと技術のプロ集団フェンリルに学ぶ「フォント選びのコツ」

大手スーパーのポイントアプリから国内最大級の動画配信サービスまで、日常に欠かせない数々のデジタルサービスのデザイン・開発に携わるフェンリル株式会社。 デザイン業務に携わる全社員にモリサワのサブスクリプションサービス「Morisawa Fonts」のライセンスを⽀給しています。その活⽤はクライアントワークだけでなく、⾃社制作物や社内レクリエーションなど多岐にわたります。 そこで今回はフェンリルでデザインやディレクション業務に携わる3名にご登場いただき、フォント選びのポイントや

フォント選びはビジュアルコミュニケーションの要〜意思を持ったフォント選びでデザインの解像度をあげる〜

だれでも論理的にデザインの意図を理解できるよう、フォントを声色、文字間を話し方、色を性格になぞらえ解説した『わかる!使える!デザイン』の著者でもある、アートディレクターの小杉幸一さん。 前半では、渋谷ハロウィンに関するコミュニケーションデザインをはじめ、企業ロゴなどを事例に、フォント選びのヒントを教えていただきました。 今回は後編として、モリサワフォントを活用したビジュアルデザインについて実例を交えてお話しいただきつつ、デザインの際によく使われるモリサワフォントや、202

渋谷区におけるハロウィーン・ビジュアルコミュニケーションなどに学ぶ 「タイポグラフィデザイン時のフォント選び」

 ショップや企業のデザインを担当する方なら、自社商品のサービスやブランドを他社と差別化させるために、ロゴの制作に携わることもあることでしょう。企業や商品の顔ともいうべき「ロゴ制作」において、デザイナーのセンスだけでなく、ロゴデザインに込める意志をどのように整理し、デザインに落としこんでいけば良いのでしょうか。 2023年渋谷の町全体で掲示されたハロウィンに関する渋谷区のメッセージを伝えたポスターのほか、企業や団体など様々なビジュアルコミュニケーションを手掛けている株式会社o

絶妙な古さの秘密とは?! フィルムエストの映像を文字から深掘り

昭和のニュース映像と思いきや、アナウンサーが繰り出すのは「タピオカ」「インボイス」「新型コロナウイルス」といった「令和」のトピック。 一瞬いまが何年なのかわからなくなるような、古くて新しい、そして思わず笑ってしまう映像を作り続けている「フィルムエスト」。完全に架空の内容であるにもかかわらず、その再現度の高さから、本物の古い映像と勘違いする視聴者も多いのだとか。 今回は、2024年に改刻フォントがリリースされる写研書体にも造詣が深い「フィルムエスト」主宰のにしいさんに、モリ

絵本を通じて文字の異文化交流ができた話

ラテン文字を海外の視点から見つめたいみなさんこんにちは。今回のnoteはモリサワが協賛した国際的な書体イベント「ATypI Paris 2023」の期間中に行った取材の模様をお届けします。ヨーロッパ調の歴史ある建造物を眺めながらいただくカフェオレは一段と美味しく感じます。Mmm, c'est trop bon! さて、以前掲載した翻訳絵本で和文と欧文の使われ方を比較した記事では、多くの方から様々な反応をいただきました。 「海外の絵本の中身について初めて知った」「セリフ体が

もっと知りたい!ヒラギノフォント 中の人に訊く、公式noteの舞台裏。

皆さんが、毎日何気なく目にしていると言って過言ではない「ヒラギノフォント」の文字。どこで使われているかを意識したことはありますか? スマートフォン・タブレット端末、テレビCM・テロップ、道路標識・サイン、雑誌・書籍・ポスターなど…。 国内のありとあらゆるところで利用されている「ヒラギノフォント」は、株式会社SCREENグラフィックソリューションズ(以下、SCREEN GA)が開発・提供している書体です。 シーンを問わず使いやすい定番書体をはじめ、2022年にはニュアンスの

原作と翻訳絵本を比べたら書体がローカライズされていた話

書体を意識して見るのは慣れていないと難しい。特に普段使わない言語ならなおのこと。みなさんは欧文書体を意識して見たことはありますか? 店の看板、メニュー、電光掲示板、雑誌……和文書体のすぐそばに欧文書体はいます。 もしかして欧文書体にフォーカスしたら書体にまつわる面白いことが見つかるのではないか……?そんな思いつきがこの記事のきっかけになりました。 日本語に翻訳されると書体も変化する不思議欧文書体を意識するには、まずは見慣れた和文書体と比較するときっとわかりやすいはず。そう

【インタビュー】児童書の老舗・ポプラ社が追求してたどり着いた「子どもファースト」なフォント選び

「かいけつゾロリ」や「おしりたんてい」「ズッコケ三人組」「少年探偵団」…いつの時代も子どもたちに人気の児童書出版で知られるポプラ社。そのポプラ社が「こどもの学び」の新しいサービスに取り組んでいます。 そんな新サービス、「Sagasokka!」になんとモリサワのUD新ゴが採用されているんです!今回は開発メンバーの皆さんに、開発経緯やフォントへのこだわり、UD新ゴを採用した理由について伺いました。 1.コロナ禍がきっかけ? 児童出版社がデジタルコンテンツを展開した理由老舗の児童

書体開発者が語る「秀英体」のこれまでとこれから〜にじみ新書体も大公開スペシャル〜

今日は4月10日、フォントの日!というわけで、特別企画として大日本印刷株式会社の秀英体開発担当の方へのインタビューが実現しました! 明治初期から100年以上にわたり愛され続けてきた「秀英体」の歴史や改刻秘話から、現代のニーズに合わせた新たな取組みまでさまざまなお話を伺いました。モリサワでも以前から秀英体を提供しており、中盤のインタビューでは今年リリース予定の新書体についてもふれているので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。 1.「秀英体」とは?秀英体は、日本を代表する総合印

新聞広告に「書体名」を掲載したのはなぜ!? ファミリーマートの新プライベートブランド「ファミマル」のパッケージデザインの舞台裏に迫る

新聞広告は時代を映す鏡…なんて言われますが、そこで使われているフォントも気になるモリサワnote編集部です。 2021 年10月19日朝刊に掲載された全面見開き(30段と言われます)広告に、社内がざわめきました。ファミリーマートの新しいプライベートブランド(PB)「ファミマル」をお披露目する内容です。 今回、その広告をきっかけに、パッケージデザインの舞台裏を追いかけてみることになりました! 1. A1ゴシックの名が広告に!?冒頭の広告では「社内資料ですが、広告します。」との

カルディのデザイナーが語る、パッケージデザインにおけるフォントの大切さ

2020年8⽉から数々のフォントに関わる記事をご紹介してきたモリサワnoteはおかげさまで開設1周年を迎えました。 今回は記念企画として、訪れると思わず⼿に取りたくなってしまうような商品を数多く販売しているカルディコーヒーファーム(以下、カルディ)さんにインタビューしました。⾷品とフォントの接点って…?と気になった⽅はぜひ最後まで読んでみてください。 1. あなたも書体探偵に?!モリサワフォント盛りだくさんなカルディモリサワでは、書体デザインに携わる人もそうでない人もフォ