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モリサワフォントでリアクションします! 書体で変わる「ありがとう」の声色

この度モリサワnote編集部、リアクション画像をリニューアルしました!

みなさんからの「スキ」や「フォロー」に、モリサワオリジナルのリアクションを画像付きでお返ししていること、知ってましたか?
書体は使い分けることによって様々な印象や雰囲気を作り出せることから、文字の “声色” と喩えられることがあります。そこで、私達のメッセージをいろんな「声色」で受け取ってもらうために、「スキ」「フォロー」「マガジン追加」「シェア」に対して、バリエーション豊富な「モリサワフォント」でリアクションをお返しします。


書体:解ミン

こんなイメージで、各書体のテイストや使用イメージに合わせてイラストや組み方も工夫しているので、細かいところまでじっくり見てみてください。(表示されるのは5秒くらいなので目を凝らして見てくださいね。)

今回の記事では、リアクション画像に使われている書体の特徴を “声色” という視点からご紹介します。
書体のどんな特徴がそれぞれの声色を生み出しているのかを紐解いて、ぜひ実際のリアクション画像でどんな風に書体が使われているかチェックしてください!

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1. 【スキ画像】人物像を想起させる10書体

スキ画像で使用されている10書体

スキ画像で使っている書体は、冒頭の例に出した「解ミン 月」も合わせて全部でこちらの10種類で、そのうち8書体はこれまでの記事で取り上げてきたものです。たくさんスキをつけて欲しくて設定MAXの10種類作ってしまいましたが…今回は5書体をピックアップしてご紹介します!

おとぎ話のヒロインのセリフ「赤のアリス」

メルヘン可愛い西洋風のエレメント

 カリグラフィーで使う平らなペン先の動きに合わせて太・細の抑揚がつけられており、ダイヤ型の先端の飾りのデザインが特徴のこの書体。カリグラフィー由来の飾り文字がファンタジー作品を想起させるからなのか、どこかメルヘンチックな雰囲気になるんです。「赤のアリス」という書体名も世界観をうまく表現していますよね。リアクション画像でも装飾的な書体の特徴がキラキラした声色を表現しています。


ガールズトークが聞こえてきそう…「ららぽっぷ」

あざとすぎるまんまるな骨格

手書き文字は不規則さゆえのオリジナリティがありますが、ららぽっぷはそんな “丸文字” にインスパイアされてできた書体です。この書体を取り上げた記事も「昭和レトロ!」と一部界隈で話題になりました。ゆっくり書いたようなまあるい骨格寸足らずなストロークが特徴的で、どんな言葉もあどけないマイルドな響きになるのが不思議です。リアクション画像では甘くてとびきりキュートな文字の加工とイラストでお届けしています!


文通友達が語りかける「ぺんぱる」

さらっと書きの小慣れたラフなペン字

ららぽっぷと同じく手書き文字をフォントにした書体ですが、こちらはつなげて書かれている部分など、スピード感のあるメモ書きのようなさらっと感。活字で書かれたメッセージは冷たく感じられがちですが、始筆・収筆の斜めの形状や太さの緩急があるフェルトペンで書かれたような輪郭が読み手に肉声感を感じさせます。「pen pal(文通相手)」という書体名の由来の通り、筆者の顔は見えなくてもリアクションを親しみやすい印象で受け取ってもらえたら嬉しいです。


旅館の女将のおもてなし「澄月」

フォントだと思わせない本格派の筆書体

筆書体でも力強いものから柔らかなものまで様々ですが、澄月は和風の高級感のある演出が得意な書体です。太く滲んだ線と細く精巧な線のコントラスト…フォントとは思わせない流れるように書かれた自然な筆の表現が、まごころをこめた丁寧な言葉にぴったりです。スキのリアクションでは、この書体の最大の特徴である連綿体を織り交ぜた文章で上品に感謝の気持ちを表現しています。

*「連綿体」など、澄月の使い方についてはこちら
https://www.morisawa.co.jp/support/faq/6502


江戸っ子の粋な物言い「勘亭流」

伝統文化の香り漂う江戸時代生まれの文字

こちらは「勘亭流」という呼び名で広く知られる様式化された書き文字をフォントにした書体です。墨たっぷりの太くうねりのあるこの文字は、古くは歌舞伎の外題や看板に用いられ、日本の伝統芸能とともに築かれてきました。人情味あふれる江戸の文化を想起させるイラストとともに、活気ある声色を感じ取ってください。
今後のフォント沼記事でも取り上げる予定なのでお楽しみに!


このように見てみると手書きにルーツを持つ書体がたくさんありますね。
スキのお礼のメッセージに合わせる書体を考えたときに無意識に肉声感のある書体を選んでいたからかもしれません…。
書体の人物像、思い浮かびましたか?


2. 【フォロー画像】場面に合った声色を持つ3書体

フォローのリアクション画像は、どれも個性豊かな「すずむし」ひげ文字」「タカハンド」という書体を使った3種類を用意しました。

書体名も “声色” のヒントになるかもしれません。各書体名の由来ですが、すずむしはコロコロとしたリズミカルな表情から。ひげ文字は先程の勘亭流と同じく江戸時代に様式化されたスタイルの一種で、払いの先端がまさに立派な「ひげ」を彷彿とさせますよね。タカハンドの「タカ」は原作者の屋号で、ハンドは「フリーハンド」に由来しています。

フォロー画像の3書体は、書体ごとの「こんな言葉に合いそう」という使用シーンを想定した「イメージワード」を組んだ見本から声色の違いを感じ取ってみてください。

ゆるくてやわらかな声色

こちらはすずむしに合いそうなイメージワードを3つの書体で組んだものです。

スイーツのパッケージや広告で使われることを想定したイメージワードです。「ぷるるん」というシズルワードは、柔らかい動きのある印象のすずむしがしっくりくるのではないでしょうか?   擬音語や擬態語は、言葉が表現する動きや質感に合わせて書体デザインが使われているのをよく見かけます。
すずむしを使ったリアクション画像も、もちもちした “あのスイーツ”  (筆者の大好物です)と雰囲気がマッチしています。

力強く渋い声色

次がひげ文字のイメージワードです。

ひげ文字は実際に酒樽や酒瓶のラベルでもよく使われており、そんなイメージに合わせたワードです。筆の太くて勢いのある線画が伝統的で力強く感じさせます。イメージワードと書体の組み合わせはどれが間違いというのは明確にはないのですが、こう見るとなんだか書体によって「酒蔵ツアー」のターゲットが変わってきそうですね…。
ひげ文字のリアクション画像は、日本古来の書体デザインを活かした “千社札” をイメージしたものになっています。

元気いっぱい!な声色

最後にタカハンドのイメージワードです。

冒険のワクワク感を書体で表現したい場面です。とくに子ども向けの絵本やゲームでは、タカハンドのような楽しそうな雰囲気を演出する手書きっぽい遊び心のある書体がよく使われています。
直線的なエレメントや丸い点といった幾何学的でパラパラとしたデザインに合わせて、リアクション画像もおもちゃ箱を開けたような楽しげな雰囲気に仕上げています。


書体ごとのイメージワードの比較から声色の違いは感じられましたか? リアクション画像でもそれぞれの声色を確かめてみてください。
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3. 【シェア・マガジン追加画像】 2022年リリース予定の個性派揃いの6書体

最後に、シェア・マガジン追加の画像はリリース前の今年の新書体を使っています!

2022年の新書体リリースでは和文デザイン書体が大幅拡充される予定で、どの書体も個性的でどんなところで使われるのか今からとても楽しみなのですが…今回はその中から表情豊かな6書体のリアクション画像を用意しました。
書体の構造を比較しながらそれぞれの声色を確認していきましょう!

いろんなテンションの「ありがとう」

並べてみると、さまざまな「ありがとう」の声色に聞こえてきます。どんな形の違いがあるのかじっくり見てみてください。

① ちさき、②プフ ピクニック、⑤ココンは小ぶりな字面でコロコロとした可愛らしい印象、③くろまめと④翠流デコロマンは仮想ボディいっぱいの大きな字面です。骨格も様々で、①は平体で⑥は長体。②、③、⑤は手書きのような自由なバランスであるのに対して、⑥はカクカクと直線的でどれも面白い形ですね。

「声色」は細部に宿る!

エレメントも大きく拡大して見比べてみましょう!

まずは横画の収筆部分です。

①は明朝体のようなうろこがついており、落ち着いた印象でしょうか。それに対して②はゴシック体のようにすっきりとカットされていますね。④と⑤の書体も欧文書体のような飾りがついていて先端によく特徴が出ています。③は一見丸ゴシックのようですが、サインペンで書いたように少し歪んだ丸い先端、⑥は直線かと思いきや先端に向けてやや細く太さが変わっています。

こちらははらいの部分です。

反り具合に有機性の具合の違いが見られます。⑥の直線的な払いは機械的な声色に感じられますね。④ははらいの先端にも音符のように飾りが!  ①、⑤、⑥は徐々に細く、②と③は太さが保たれています。①と⑤は似ているようで先端の処理が丸か角かに違いが出ていますね。

濁点はどうでしょうか。

三角や四角、ダイヤ型と点だけ見ると個性の違いがはっきりわかりますね。四角い点の中でも、②は少し傾いた長方形、⑥は垂直水平な正方形と少しずつバランスの違いが見られます。①は明朝体の点のようですが鋭さはなく優しい印象です。③は二つの点で微妙に形が違うというところに手書きのラフさを感じます。


このように書体を寄りで見てみると、エレメントに宿る小さな違いがその書体の声色の大きな要因になっているのがわかりますね。似ていると思っていた書体でもよく見ると全く違ったり、文字ごとにその書体らしいデザインの工夫を見ていくと、いつもいろんな発見があります。そこはすでにフォント沼です…。
それぞれ書体のコンセプトやエレメントの特徴を活かした加工やイラストを散りばめたリアクション画像を用意していますので、これから世の中に羽ばたいていく新書体の使い方の参考になったら嬉しいです。

今年の新書体は、これからリリースに向けて今後の記事でより詳しく紹介していきますのでお楽しみに!


おわりに

ここまで14書体をご紹介してきました。リアクション画像の使用書体、気になるものはありましたか?
特にデザイン書体はそれぞれの世界観を持っています。 “声色” を感じながら、フォントをもっと楽しんでいただけたらいいなと思います。

最後までお読みいただきありがとうございます。いつもみなさんからいただくスキやフォローがとても励みになっています。
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最後に文字の “声色” にちなんで…

おまけ:フォントは「声」だ


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