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フォント沼なハナシ

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フォントの特徴から開発秘話までご紹介する記事をまとめています
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#写植

〈note文字旅〉写真植字の百年。写植と印刷の歴史を辿る。

紙や印刷の歴史が好きな人のみならず、文字やフォントの沼にハマった人にとっても聖地となっている、東京・飯田橋の「印刷博物館」。 人々の生活やコミュニケーションの発展において欠かすことのできない、「印刷」の技術や文化史をテーマに幅広く研究・資料蒐集を行っている、国内では珍しい博物館です。 この印刷博物館で、現在とある企画展示が開かれています。 写真植字の百年 会期:2024年9月21日(土) ~ 2025年1月13日(月・祝) いまから100年前の1924年、モリサワの創業者

中ゴシックBBBでたどる、写植文字盤からデジタル化まで〜邦文写真植字機発明100周年に寄せて〜

モリサワの定番書体のひとつである「中ゴシックBBB」。実は長い歴史がある書体なんです……! 今回は「邦文写真植字機」発明100周年を記念して、写真植字機での文字作りからデジタルフォントまでの「中ゴシックBBB」の歴史を振り返っていきたいと思います。 写植時代から受け継がれる「中ゴシックBBB」こちらは、モリサワが発行した「モリサワ写真植字機統一見本帳 No.83」です。当時モリサワが写真植字機(以下、写植)で扱っていた書体が並んでいますが、写真右下に「中ゴシックBBB1」と

人気書体「A1明朝」の新ウエイト開発に迫る

みなさまにようやくお伝えできる日が来ました! モリサワのフォントライブラリで一二を争うほどの人気書体「A1明朝」が、この度3ウエイト構成の “A1明朝ファミリー” として新たにリリースされます! 「A1明朝」といえば、某有名アニメーション映画のタイトルに使われている “あの書体” として認識されている方は多いのではないでしょうか。長年のファンも多く、そのノスタルジックなたたずまいからデジタルフォントとして今もたくさんご愛用いただいている書体です。 今回はそんなA1明朝を