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モリサワnote編集部、2021年を振り返ってみた。

今年を象徴する漢字は「金」ということで、モリサワでも嬉しいニュースがありまして、当社所属のパラアスリート、佐藤友祈選手がパラリンピックで金メダルを2つ獲得し、社員だけでなく日本に感動を与えてくれました。400mラストのマクリは本当に鳥肌が立ちました


2021年も残り1ヶ月となった12月の初旬、編集部では忘年会を開催し、酒の席のやりとりをそのまま記事にしてしまおうと画策していたのですが、なんとなく皆が「ご時世的にどうしようかな…」みたいな雰囲気になり結局断念し、編集長はやさぐれていました(笑)

忘年会のことはさておき、今回は2021年に公開した記事を担当した編集部スタッフにインタビューし、執筆の裏話を聞きながら1年を振り返っていきたいと思います。お酒片手に忘年会気分で気軽にお読みいただければ幸いです。

参加メンバー
M…副編集長 好きな書体:丸フォーク
A…編集部員 好きな書体:エコー
H…編集部員 好きな書体:タイポス
Y…編集部員 好きな書体:ゴシックMB101
K…編集部員 好きな書体:Sharoa Pro UltraLight
聞き手…編集長 好きな書体:ゼンゴN

印象に残った記事

ー さて、今年も一年あっという間でしたね。どうでしたか、副編集長

M:去年からnoteの執筆に携わって、最初の頃はもう本当に執筆するのにめちゃめちゃ時間が掛かってたんですけど、なんとなく「型」というかこう書けば伝わるのかな、読んでもらえるのかなという部分が少しずつ見えてきました。文章レベルも上がったような気がします!

ー 継続は力なりってやつですね。実際に投稿した記事のなかで印象に残ってたり、書いたぞ感があるのはどの記事ですか?

M:私はぺんてるさんとのコラボ記事ですね。 モリサワの書体「ぺんぱる」の響きが「ぺんてる」に似てる!とSNSで反応してくださったことがきっかけでした。
実はこの記事、ぺんてるさんに取材したい!と決めてから約1ヶ⽉で依頼→取材→記事作成/公開するという、とてもスピード感のある企画だったんです。ご対応いただいたぺんてるのみなさまには本当に感謝しています...。
TOP画像に写っているグラフギア1000は、インタビューに登場した本間さんが実際に使用しているもので、傷つけないように撮影したのもいい思い出ですね。

ー  記事のどんなところに注目してほしいですか?

M:最近はパソコンやスマホでタイピングすることが多くなっているかと思いますが、画面にうつるフォント(デジタル)制作と手書き(アナログ)に使う筆記用具の制作には思いもよらぬ共通点があることがわかるインタビューでした。特にインタビュー後半の「すぎるこだわり」についてはアツい話になっているので必見です!

ー どちらも文字に関係していて、ものづくりへのこだわりが溢れた記事になりました。おつかれさまでした。

ちなみに、この記事のあとにぺんてるさんからも逆取材をしていただきました。
こちらも読み応えのある記事になっていますので是非ご覧ください!


スキが多かった記事

ー では次に、スキが多かった記事を聞いてみましょう。もっともスキがついたのはAさんが担当したカルディのデザイナーさんへのインタビューですね。

A:私自身仕事帰りにカルディさんに立ち寄ることが多いのですが、まさか書体探偵として潜入捜査するとは夢にまで思いませんでした(笑) たくさんのパッケージでモリサワフォントが使われていると気づいた時は驚きと喜びで感動でしたね。どの商品を写真に撮って載せるかはある意味嬉しい悩みでもありました。
このインタビュー記事は、編集部が今まで投稿した中でも一番時間をかけて進めていったもので、長い期間お付き合いいただいたカルディさんには非常に感謝しています。あとこれは本当に裏話なのですが…カルディさんから記事の校正をいただいた時、赤入れが美しかったです。密かにお手本にしています。

ー 注目してほしい部分はありますか?

A:記事後半でカルディのデザイナー稲次さんから語られる商品パッケージ制作の裏側はぜひ読んでいただきたいです。フォント選びを大切にされていることがその制作過程からおわかりいただけると思います。それと、モリサワフォントが使われている商品パッケージの写真も見て欲しいです。この記事を読んだあと、カルディさんの店舗で「このパッケージ、モリサワのフォントだね」と少しでも思っていただけたらなによりです。

ー カルディさんの商品パッケージは本当にたくさんのモリサワフォントが使われていて、どのパッケージにフォーカスするか、嬉しい悩みもありましたね。おつかれさまでした。

そして、その次にスキが多かったのはA1ゴシックの記事です。Hさん、どうでしたか?

H:A1ゴシックを取り上げると決まった時からこの記事は読んでもらえるのでは?という期待があったのでいい記事にしたいと思って執筆しました。かなは「中ゴシック体BB1」を元にしているということはデザイナーに聞いて初めて知り、社外にも初出しの情報だったのでSNSでもリアクションがあって嬉しかったです。

H:A1ゴシックの原図は、書体デザインを担っていた旧モリサワ文研(兵庫県明石市)まで撮影に行きました。私は初めて訪れたのですが、原図をはじめなかなかお目にかかれない写真植字機もズラリとあり、社内資料とはいえ宝探しみたいで楽しかったですね! 
A1ゴシックは2017年リリースと新しい書体ですが、多くのところで使っていただいている人気書体ですし、「手書き原図から作成された最後の書体」としてファンにはたまらない貴重な資料を公開する機会になったのではないでしょうか。

ー A1ゴシックはポスターやパッケージなど、街中でもかなり見かける頻度が増えている書体なので結構プレッシャーもあったかと思いますが、より世間に知ってもらうきっかけが作れたのではないかなと思います。おつかれさまでした。


実は執筆に苦労していた記事

ー 次は執筆に苦労した記事についても聞いてみましょう。欧文組版の記事は全6回で連載しましたが、どうでしたか?

K:多言語については、直接担当していないと、モリサワ社員でも難しい奥深い分野だと実感しました(和文ですら難しいのに……) それだけ多くの人にとって、多言語の表記は苦手意識があるかもしれず、まだ世間に手法が浸透していない段階なのだと思います。連載に関わって私も多くのことを勉強させていただきました。

K:今回の連載は+DESIGNINGの2015年発行の際の雑誌の付録「英中韓組版ルールブック」に準拠した内容でしたが、図版をモリサワが近年リリースした欧文フォントに置き換えて再構成しました。実際にそれらのフォントを使った場合の本文組みを参考にしてみていただけたらと思います。
またこの連載全編を通して、多言語を正しいルールで組むことが、和文組版と同様に大切であることを知っていただけると嬉しいです。
「かっこいい欧文フォント」に興味がある人はたくさんいるし、簡単に手が届きやすくなったけれど、正しい組み方の紹介や、そのフォントがなぜ優れているのかを「読みやすさ」で評価した話題はまだ日本国内に少ない気がします。モリサワが、フォントの作り手側の視点でもっとお伝えできればと思います。

ー 欧文書体は普段使っていないとわからないことも多いですね。既存していた内容とはいえ、校正もなかなか大変で私も勉強になりました。おつかれさまでした。
 
苦労した記事としてはららぽっぷも大変そうでしたね。

Y:ららぽっぷは丸文字というルーツから「世間の流行や文化」にも触れる初めての記事だったのですが、過去どう盛り上がっていたのかを伝えるのってすごく難しくて。これ断言していいんだろうか…! 説得力あるかな...? と表現に頭を悩ませました。当時のこと知っている社内の先輩が、思い出すために丸文字を何個も家で練習して実際に書いてくれたんですよ(笑)本当に文化として根付いたものだったんだなと実感しましたね。試行錯誤した結果、「懐かしい」「かわいい」といった反響もあってとても嬉しかったです。

Y:ららぽっぷは深掘りするとギャップがたくさんある書体です。実はデザイナーは「丸文字」に慣れ親しんだ人ではなかったり、手書き文字風なのに全てデジタルで作成されていたり。かな書体にフォーカスしたお話はなかなかないので、モリサワならではの記事としてお楽しみいただけるのではないでしょうか!

ー 可愛らしい丸文字のデザイナーがおじさんという、そのギャップもよかったですね(笑) トップ画像を制作する際にワードの選び方で「歓楽街のネオンサイン」みたいに見えてしまって変更したこともありました。言葉やデザインの雰囲気によって、現代っぽさも出るし、妖しくもなるし、いろんな使い所のある書体なんだなと再発見でした。おつかれさまでした。


2022年はこんな記事を書きたい!

ー では、みなさんは2022年はどんなnoteにしたいか、ざっくりで良いので教えてください

M:2022年は、新規リリース書体を深く楽しく知ってもらう1年にしたいですね。2021年10月の記事を担当していたのですが、来年分のリリース予定書体をお披露目するというのが初めての試みで、とにかくどんな反応がくるかドキドキしていました。現時点で言える情報も少なかったので、できるだけビジュアルでワクワク感を出すためにいろんな角度でリーフレットの写真を撮ったり組見本を載せてみたり...。結果的に多くの方に見ていただけてとても嬉しいです。
書体へのこだわりや使い方のTipsなど、思わず誰かに話したくなる、使いたくなる情報をお届けできるように頑張ります。早く書体をリリースしたい〜!

H:「文字」ってどんなところでも使われてるから掘り下げ方が無限大にあって。だからこそ悩めるのですが…。さまざまな接点からたくさんの人をフォント沼に引きずり込んでいきたいですね!もちろん、いつもモリサワフォントを使ってくださっている人に読んでもらいたい玄人向けの記事もこれまで以上に濃いものにしていって、それぞれに刺さるコンテンツを発信していけたらなと思っています。

Y:私自身が制作の裏話を読むのが大好きなので、モリサワnoteをみてくださった方々にも「ちょっと面白いこと知っちゃったな〜!」と思っていただけたらいいなと思って記事を書いています。
フォントはデザインや表現のツールのひとつなので、フォントそのものだけでなく「フォント × 何か」や実際にフォントを使っている方たちのお話など、読み物としてワクワクするようなものをお届けできるように企画中です!

K:みんな、沼が好きなんだなぁ……と思いました(笑) SNSの反応も良いですし。実際のユーザーの方ではなくても、フォントという存在の楽しさが皆に伝わる記事をご提供したいですね。
超思いつきですが、フォント沼オリジナルグッズとか作りたいです(笑)

A:今まで書いた記事のスキやフォロー、マガジン追加、オススメ、コメントは私含め編集部全員とても励みになっています。
来年も書体が好きな方にも初めて触れる方にも、街に溢れる文字デザインやフォントに興味を持っていただけるような記事を届けたいと思います。またいつか記事を通して「あ!これモリサワのフォント!」と気付いてくださる読者さんが増えるようこれからも沼記事を頑張って書きますので、応援よろしくお願いします!

ー 今年1年おつかれさまでした。来年もより一層みなさんに沼を伝えられるよう良記事を執筆していきましょう!

2022年も、モリサワnote編集部をよろしくお願いします。

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